日本最古年の時計台
出石のシンボル「辰鼓楼(しんころう)」です。「全国子ども落語大会・予選大会」の会場のすぐ近くですから、ぜひ行ってみてください。これが建てられたのは1871年。いまからちょうど150年前です。当初は文字通り太鼓を打ち鳴らして時刻を知らせていました。1881年、地元の医師・池口忠恕(いけぐち・ちゅうじょ)さんが地元の人への感謝の気持ちを込めて、オランダ製の機械式大時計を寄贈し、時計台になりました。同じ1881年に稼働した札幌市時計台と並んで、日本最古の時計台として知られていました。札幌市時計台が稼働した日は8月12日とわかっていたのですが、出石の辰鼓楼の稼働した日はわかっていませんでした。そこで、辰鼓楼の創建150年を機会に、稼働した日を調べてみようと考えた人がいます。地元の皿そば店「甚兵衛」の店主・渋谷朋矢(しぶや・ともや)さんです。もしも札幌より早ければ、日本一古い時計台ということが証明されるかもしれません。古い文献をいろいろ調べたりして、やっと見つけたのが地元の弘道小学校の金庫にあった明治時代の日誌です。そこには、「辰鼓楼、本日12時より報刻す」という記述がありましたが、その日付は何と9月8日でした。つまり、札幌市時計台よりも27日遅かったのです。残念ながらわずかな違いで日本最古ではなかったけれど、稼働した日がわかったことは素晴らしい発見でした。
発見者の渋谷朋矢さんは、「全国子ども落語大会」実行委員会のメンバーでもあり、鳥肌亭ピリカという芸名で活躍しているアマチュア落語家でもあります。興味のある方は、ぜひ交流会で話を聞いてみてください。きっと、楽しい話が聞けると思います。
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