決勝大会・そよかぜさん
決勝大会のトリは、春乃そよかぜさん。地元のたんたん落語笑年団に所属する中学2年生です。出石永楽館はホームグランドとはいえ、地元ならではのプレッシャーを感じながらの高座です。
決勝大会進出者の8人の中で唯一、新作落語で臨みました。そのネタは「赤とんぼ」(桂三枝作)。原作は童謡好きの上司とその部下の噺ですが、登場人物を中学生と先生に変えています。童謡「赤とんぼ」の熱唱、次々に繰り出す童謡のメドレーで会場から中手(噺の途中での拍手)が起こります。その中手がおさまるのをしっかり待って、次のセリフに入ります。この「待つこと」ができるのがそよかぜさんの素晴らしいところ。お客さまの気持ちや反応が見えているからこそ待てるのです。
落語家にとって中手ほど気持ちのいいものはありません。さらにノリノリで高座を終えます。演者がお客さまを乗せ、お客さまが演者を乗せる。これこそがナマの演芸の良さであり、楽しさです。
そよかぜファンが着実に増え、広がっています。一緒に出演した子ども落語家の一人が「そよかぜさんに憧れる」と言ってくれました。嬉しいですね。優秀賞受賞、おめでとうございます!
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