決勝大会・なおい丸さん
決勝大会の7人目ともなると、お客さまはちょっとお疲れ気味かもしれません。何しろ、お客さまが審査員ですから気が抜けません。そこに登場したのが、大阪市の中学3年生、独楽家なおい丸(こまや・なおいまる)さん。2年前よりさらに男前の好青年になっていました。
演目は「死神」。初代三遊亭円朝師匠がグリム童話をヒントに創作したという古典落語です。サゲにいろんなバリエーションがあり、聴かせる噺ですが、笑いの多い噺ではありません。このネタを選んだところがなおい丸さんらしいところ。落語がほんとうに好きなんです。しかも、前回は上方弁の「つる」でしたが、今回は江戸弁の「死神」です。大阪の子なのに、江戸弁もこなします。誠に器用な人です。
なおい丸さんの素晴らしいところは目力。写真を何枚撮っても、なおい丸さんの目線はピタッと決まっていて、話しかける相手の目を見つめています。死神さんの言葉に重みがあるのは、この目力によります。
決勝大会に進出した8人のうち、今回は4人が中学3年生でした。晴天丸さん、うさぎさん、だい吾さん、なおい丸さん。惜しくも決勝大会には出られませんでしたが、甘辛亭ちきんさん、ろっ亭あいすさん、長州亭優朝さんも中学3年生。今年で卒業するこの人たちに変わって、来年はまた新しいスターが誕生すると思います。期待しています。
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